補足資料その1
沖ノ鳥島気象観測に関する補足資料〈2003.1.6〉
2002年11月24日午前1時1分に沖ノ鳥島で観測した台風25号による最低気圧931.54hPaを、気象庁が最終解析にどの様に反映するか興味深く見守っていたが、参考データとしてもまったく無視を貫いた気象庁の姿勢に、このデータの信憑性について当該者である国土交通省所轄の外郭団体、海洋科学技術センターへ直接疑問を投げかけてみた・・・
連絡方法:Eメール 27 December 2002 16:20
宛先:海洋科学技術センター
件名:沖ノ鳥島気象観測データの精度に疑問
海洋科学技術センターが行っております、
沖ノ鳥島気象観測データの精度に疑問の声があります。
先の台風25号で観測された気象データを、気象庁は事後解析に使用しませんでした。つまり限定された特定の研究機関の観測機器によるデータは、気象観測データに使用するだけの信頼性がないとの判断でしょうか。
事例
台風25号(2002.11.23深夜〜24早朝、沖ノ鳥島接近)
気象庁気象通報
11月23日21時現在 中心気圧 960 hPa 最大風速 40 m/s
11月24日 0時現在 中心気圧 960 hPa 最大風速 40 m/s
11月24日 3時現在 中心気圧 960 hPa 最大風速 40 m/s
この間に海洋科学技術センター沖ノ鳥島観測データで、
11/24 01:01 最低気圧 931.54 hpaを観測しましたが、
気象庁は台風の勢力値に変化を与えませんでした。さらに事後解析でも同様でした。
気象衛星ひまわりの欠測時間帯にあり、せっかくリアルタイムで気圧、風速、方位などの貴重な地上観測点データを得られたにもかかわらず・・・。
思うに"国益"の観点からみましても気象庁が無視するのは甚だ疑問を感じてしまいます。
現在の台風観測は気象衛星によるドボラック法により解析されております。
南海上に於いて沖ノ鳥島の存在は、位置的に非常に重要な地上観測点であると思います。
にもかかわらず、何故国内の各省庁における観測データを気象庁が使わないのか甚だ疑問であり、失礼ながら本当に"沖ノ鳥島気象観測器精度に疑問あり"が事実なのではとの懐疑心が浮かびます。
また何故、今回の25号台風の気象通報を遙かに越える観測データを計測した場合、例えば船舶のように気象通報無線を流すような処置をとらないのでしょうか、教えていただければ幸甚です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
海洋科学技術センター ○○さまより回答がありました
返信:Eメール 06 January 2003 11:42
※文章中固有名称該当部分は伏字にしてあります、ご了承ください
件名:Re.沖ノ鳥島気象観測データの精度に疑問
○○○○様
沖ノ鳥島の観測に関心を持っていただきまして有り難うございます。
海洋科学技術センターで行っています沖ノ鳥島の気象観測には
ノルウェーのアンデラ社のウエザーステーションを使用しています。
経年的な変動を押さえるため、毎年定期的にセンサーは交換して
います。これまでに、気象庁の検定を受けられないかと検討したこと
がありますが、測器としての構造が法規に合わないため、検定は
受けられないことが判明しました。
気象庁とも沖ノ鳥島のデータの利用について相談させていただいた
ことがあります。この時は、Webでデータを読めるようになれば、
参考にするとのお話しでしたので、Webの開設に踏み切り、
リアルタイムデータの提供を開始しました。
これ以後については、気象庁とは接触していません。
データの精度については、常に気にしております。
これまでに、風向風速のデータは、東海大学の○○先生に委託して
気象庁が航行船舶の気象情報から取り出した海上風データと比較
したことがあります。比較結果は、良く一致するものでした。
気圧データほかについては、1993年から2001年までの月平均値を
気象庁の気候値と比較しましたが、ほぼ一致していました。
観測データの解析を行う時には、COADS等の再解析データと
比較しますが、妥当な範囲で一致しています。
従って、気象庁が安心して使用できる気象庁検定済みの気象観測
機器ではありませんが、十分参考にしていただけるデータであると
思っています。住所をお知らせいただければ、資料を送付致します。
貴重なコメントありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。
海洋科学技術センター ○○
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お礼の返信をいたしました
連絡方法:Eメール 06 January 2003 15:05
宛先:海洋科学技術センター
件名:ご回答いただきありがとうございました
海洋科学技術センター ○○さま
新年明けましておめでとうございます。
お正月休みあけに早速お返事頂きまして本当に嬉しく思います。
詳細な経緯説明は大変良く理解できました。
そのような事情があっての"当方の疑問"が発生した訳ですね。
確かに観測機器に"気象庁検定済"がなければ、あくまでも参考データの扱いなのでしょうが、せっかく開設したWebデータ配信(私も有り難く利用しております)が、その参考データにも反映されてないような状況はとても残念に思います。
沖ノ鳥島が我が国にとって立地的に貴重な領土であると伴に資源、海洋そして気象の分野に寄与する観測データを是非とも有効に活用すべき財産であると考えます。
海洋科学技術センターの担う役割は日本国内だけにとどまらず、
地球規模の未知の気象現象解明に大きな貢献を及ぼすことでしょう。
早急に、気象庁を含めた各省庁との観測データの共有化を進め、
国益に寄与すべきであると思います。
以上失礼いたしました。